ムゲン社の裁判、エー・ディー・ワークス社の裁判で国側の主張と違う国側の資料は平成12年の情報開示資料にあった。(一般社団法人FICの前身である、株式会社FICが開示請求した資料集のp267)

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平成12年 国税庁消費税課

第10 仕入税額控除

10-176 譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除

(問)

A社はその大口取引先であるB社(マンション分譲会社)に多額の売掛金を有しているが、B社はマンション市況の悪化で大量の売れ残り物件(分譲用マンション)を抱え、経営が行き詰まっている。
このため、A社は全額出資の子会社C社を設立(各地区ごとに計5社を設立する。)し、この子会社が当該売れ残り物件をB社から買い取り、その代金でA社はB社から売掛金を回収することとした。
C社は、買い取った分護用マンションを分譲することとしているが、マンション市況の状況等からその分譲の完了までには数年を見込んでおり、それまでの間はこの分譲用マンションの一部を一時期賃貸することとしている。
この場合、仕入控除税額の計算を個別対応方式で行うときにおいて、C社がB社から購入する分譲用マンションの課税仕入れに係る消費税額については、課税資産の譲渡等(家屋の譲渡)にのみ要するものとして計算をすることができるか。

(注)
1 買取り物件は、分譲用のマンション(住宅用)であり、既入居者(B社からの購入者)との関孫もあり、必ず分譲する。なお、C社は、物件の販売が完了すれば解散する。
2 C社は、宅地建物取引業者の免許を取得するまでは不動産の売買が行えず、また、当該免許の申請に当たって決算書等を添付する必要があることから、当面、決算書において当該マンションを棚卸資産として計上することができないため、やむを得ず、固定資産として計上することとしている。ただし、将来販売するものであることから、減価償却は行わず、また、免許取得後は棚卸資産に振り替えることとしている。

(答)
購入物件は分譲することを目的として取得したマンションであり、課税仕入れの時点では課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当することは明らかであることから、仮に一時的に賃貸用に供されるとしても、継続して棚卸資産として処理し(宅地建物取引業者の免許を取得するまでの間は固定資産として処理する場合を含む。)、将来的には全て分譲することとしているものについては、法第30条第2項第1号イの課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れに該当するものとして取り扱って差し支えない。
また、これにより課税資産の譲渡等にのみ要するものとして全額控除したものを取得後3年以内に賃貸用住宅に供する場合であっても、棚卸資産であり固定資産ではないことから、法第34条第1項に規定する課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した>場合の仕入れに係る消費税額の調整をする必要はない。

消費税仕入税額控除を巡る訴訟の民間側意見書及び陳述書 は、下記参照
http://www.zeiseiken.or.jp/faq/sonota/sonota_a015.html