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※ 父=先代経営者、子=特例後継者、孫=3代目の特例後継者という想定です。


(1)贈与税の納税猶予額が免除となる場合

① 贈与者=父が死亡した場合
父の死亡時まで会社の事業が父の死亡時まで会社の事業が継続されれば、納税猶予されている贈与税は免除されます。子が受贈した非上場株式等については、贈与時の時価で父から相続により取得したものとみなされるものの、相続税の納税猶予に切替えることができます。

② 贈与者=父の死亡以前に、後継者=子が死亡した場合
納税猶予されている贈与税は免除されます。孫は、子が保有していた自社株式を本来の相続財産として取得し、適用要件を満たせば、相続税の納税猶予を適用することができます。


(2)相続税の納税猶予額が免除となる場合

① 相続人=子が死亡した場合
子の死亡時まで会社の事業が継続されれば、納税猶予されている相続税は免除されます。そして、子について新たに生じる相続税についても、孫において納税猶予の適用を受けることができます。

② 相続人=子が孫に一括贈与した場合
特例承継期間経過後に、子が孫へ贈与し、当該贈与に事業承継税制を適用した場合には、子において納税猶予されている相続税は免除されます。子が死亡した時には、孫のみなし相続となり、相続税の納税猶予に切替えることができます(22頁参照)。


(3)共通(相続税、贈与税の免除)

① 後継者=子にやむを得ない事由が発生し、孫へ贈与した場合
特例承継期間内に、子が代表権を有しないこととなった場合(心身障害等やむを得ない理由がある場合に限ります)において、孫へ贈与し、当該贈与に事業承継税制を適用した場合には、子において納税猶予されている相続税(贈与税)は免除されます。

② 会社の事業継続が困難となり、自社株式を譲渡等した場合
特例承継期間経過後に事業の継続が困難となり、M&A等をした場合、譲渡時の譲渡対価の額を基に納税猶予額を再計算し、当初納税猶予額との差額は免除されます(25頁参照)。

FIC発行
「相続税納税猶予割合が100%となる 特例事業承継制度の概要 -平成30年度税制改正-」より (23)
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